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失語

.31 2010 詩篇 comment(2) trackback(0)

でたくない。もうでたくないね。ここから。きみのなかから。


なにやら意味ありげに降りこめた雨というよりはむしろ、ただひたすらに舞台となるべくして視線に晒される運命にある空間を、ほんのひとときだけその忌わしい視線から遮るために下ろされた、半透明の緞帳としての雨。ぼくは沈黙するだろう。その雨に撃たれながら。


どうしてかっていうとそれは。ゆるんでる。多我と肢体が。


慈悲としての饒舌なんて例えば耳の奥に密生して繁茂する、蜂の巣状の膿褒がしとどに垂れ下がっていく月下の業病の氾濫、そんな現実を前にしては稀な敵失を待つ遊撃手でさえ嘲笑を禁じ得ず、抗う声さえ失いつつ。ぼくは声をあげて笑う。きみを抱きながら。


きみを抱きながら。ぼくはきみを抱き。遺棄した。きみのなかから。





214.jpg





註釈:思えば物はみな断片になって落下するわけですが、その一瞬、まるで時間が凍りついたかのように、その断片という断片の総ては落下することさえ許されず、ただうつろに漂うだけに見えてしまうのは、やはり宇宙そのものが落下しているのだから、個々の断片の落下が体感できるはずもなかったということでしょう。
ぼくは銀色に塗りたくったバナナを幻の鱒として売り捌いた詐欺の容疑で告発されながらも、聴衆たちに忘却という挨拶を儀礼的に交わしてから、おもむろに、地に横たわるすべての生物に渡されたはずの囚人服の数がきちんと足りているかどうか、そのことを確認するのが急務であるという趣旨で、やがて訪れるであろう残酷な四月の八日を待たずして、今夜にでも講演会の開催を予告したいと思うのです。
それにしても詐欺師の講演はけっこう大変ですよ。不自由の女神が売り物のサーカス団を呼んだり、道化師でいっぱいのフルーツパーラーを用意したり、首吊りのポストカードをギフトショップで売ったりして、そりゃあもう大騒ぎですし。それから忘れずに盲目のコミッショナーも招聘しなきゃいけないし。何てったってあとから契約違反がばれたら豚箱行きですからね。
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プロフィール

ashzashwash

Author:ashzashwash
桑原義江。男性。Ash。あるいはy<kと名乗った事もある。あるジャズ・レーベルのマネジメント・オフィスに勤務。その傍ら知人の紹介で、ファッションビルの広告媒体や某音楽系出版社の女性雑誌にアート関係の記事を書かせて頂き、その稿料で貧困生活を糊塗する日々が続く。或る日の朝、出勤のため恵比寿の坂道を下っている時に何もかもが嫌になり、地下鉄丸の内線日比谷駅のホームのベンチに蒼白な顔色で座っている姿を学生時代からの友人が見かけたのを最後に、東京23区内から失踪。赤坂のオフィスのデスクの上に残された遺留品は、デルヴォーの画集、カランダッシュの青いボールペン、それからビル・ラズウェルのライブのデモテープ、以上の三点であった。その後、アムステルダムの娼婦街でよく似た横顔の女衒を見かけたという報道もあったが、本人が非公式に否定。現在に至る。

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