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死のリレー

.02 2010 断章 comment(6) trackback(0)

カムチャッカの少年が錆びたナイフで古い鯖缶を開けようとして指を傷つけ三日後に敗血症で死を迎えようとしている頃、


表参道の遊歩道ではキャバクラ勤務の平凡な少女が逆恨みをした常連客に刺身包丁で喉笛を切りつけられて即死していた。


ぼくたちは死をリレーしているのだ。





0.jpg





註釈:未知の街角で待ち伏せしているものはすべて恐怖だし、絶望と笑いは共に手を携えてやって来る。黄昏時の表参道にはバニラエッセンスの薫りが漂っているけれど、ふと下を見ると、白日の舗道に落ちた空薬莢ひとつ。いずれしてもぼくの欲望を前にしては世界など無力な存在に過ぎない。しかし、ぼくの欲望もまた世界を前にして無力な存在なのだが。

comment

451f
以前にも拝見した記憶があるようなないような。(気のせいかな?)
こういうの嫌いじゃないです。
2010.04.02 22:04
ashzashwash
ありがとうございます。これは発作的に書いたものなんですが、じつはぼくもかなり気に入っていまして、いろんなところで何度も何度もナイフを振りおろしているのです。
2010.04.02 22:08
oomoji
ヒトって後ろ手にナイフを持って生息していると思うのですが、、ナイフが錆びちゃったり、誤ってストッキングを引っ掛けちゃったり、お気に入りの服をざっくりしちゃったり…とっても不器用なんですよね。。
あ、アタシのことかw
2010.04.02 22:45
forgetful_cat
切り裂かれた言葉の断片が
鋭利な切っ先で誰かの喉笛に突き立てられる時
小指の爪が割れる音
パキリ、パキリ、と鳴る度に
ああ、何処かで誰かが死んだのだ、と
赤い血の雫を落としながら
まな板の上で生きた魚を三枚におろす
2010.04.02 22:46
ashzashwash
oomojiさん、確かにぼくも、かつて数ヶ月ほどサラ金に追い込みをかけられたことがあり、むなしい闘争の果て、ついに目黒の営業所に出頭することを決意した際には、もしものことを考えて、懐にナイフを隠しもって出向いたものでした。結局は何事もないまま簡易裁判所で総てを解決してもらって、なんとか現在のぼくが在るのですが、実際問題として、ぼくは在るのか無いのか、いささか自信がないままに生息しているのです。
2010.04.03 19:15
ashzashwash
あなたの指で三枚におろされた生魚の胃袋から、ぼくがいつも右手の薬指に填めていたパロマ・ピカソの金の指環が見つかるようなことがあれば幸せなのですが。むろんその生魚はぼくの死肉を貪った魚に違いないのですが。
2010.04.03 23:22

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ashzashwash

Author:ashzashwash
桑原義江。男性。Ash。あるいはy<kと名乗った事もある。あるジャズ・レーベルのマネジメント・オフィスに勤務。その傍ら知人の紹介で、ファッションビルの広告媒体や某音楽系出版社の女性雑誌にアート関係の記事を書かせて頂き、その稿料で貧困生活を糊塗する日々が続く。或る日の朝、出勤のため恵比寿の坂道を下っている時に何もかもが嫌になり、地下鉄丸の内線日比谷駅のホームのベンチに蒼白な顔色で座っている姿を学生時代からの友人が見かけたのを最後に、東京23区内から失踪。赤坂のオフィスのデスクの上に残された遺留品は、デルヴォーの画集、カランダッシュの青いボールペン、それからビル・ラズウェルのライブのデモテープ、以上の三点であった。その後、アムステルダムの娼婦街でよく似た横顔の女衒を見かけたという報道もあったが、本人が非公式に否定。現在に至る。

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