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一瞬の敵

.25 2010 断章 comment(5) trackback(0)

今年はなんだか、寒さが身にしみて、ついにユニクロのフリースなるものを着用に及んだのだが、どうもこのフリースというやつを着てると、心が荒むような気がしてならない。軽くて、暖かくて、安くて、便利なんだけどさ。そういえばコーデュロイやGジャンを着たときも、なんだか心が荒むのだが、あれはそれなりに風情のある荒みかたというか、まあ、路地裏系の荒みかたがして、ある種の小気味よさが同居している荒廃ぶりなので許せるのだが、フリースの荒みかたにはこれっぽっちも救いが感じられない。生きながら産業廃棄物になったような気分がするのだ。つまり私の真実があからさまになってしまうのだ。そりゃあ、救いがないはずだ。捨ててしまおう、自分ごと。そして私は廃棄物になるのか。ごみすてばの廃棄物になるのか。もうすぐ島にいって、無数のかもめたちによる無調音楽のコンサートを聞きながら、ゆっくりと死ぬまでの余生を過ごすのさ。ああ。それにしたって、私はどうもアメリカ産の白豚のひげ面が好きになれないのだ。ジム・モリソンとかブライアン・ウイルソンとかジェリー・ガルシアとかビル・ラズウェルとかビル・ラズウェルのマネージャーとかが、どうしても好きになれない。特にビル・ラズウェルのマネジャーとはイベントの仕事の時に喧嘩して、たちの悪い悪戯をされたので、預かっていたパスポートを顔の前でちらつかせて、お前らのパスポートを今から燃やして灰にしてやる、といって脅かしてやったことがあるくらいだ。ていうか、そのせいでアメリカ産の白豚が嫌いになったのかもしれぬ。あっちは最初から私のことが気にくわなかったようだが、こっちはあんな白豚、最初から、名前すら覚えていなかったのだがね。あのあと、そいつは主催者に泣きつき、私はそのイベントを首になりましたとさ。さて、じゃあ、どんなのが好きかというと、サム・クックとかマ?ビン・ゲイとかボブ・ディランとかデヴィッド・ボウイとかデヴィッド・シルビアンとかが好きなのだから、要するにアフリカ系アメリカ人とユダヤ系アメリカ人とデヴィッドという名前のイギリス人というのが私の好みということだな。女の場合はスラブとかアラブの血が混じってるのがいいなあ。つまりナスターシャ・キンスキーとイザベル・アジャーニのことだがね。さて、じつは、ホントに一番きらいなのはヨーロッパのブルジョア、とくにイタリアのブルジョアなんだけど、これは旅先でいやな目にあったからさ。むこうはもっといやな目にあったと思ってるだろうけど。そういえばミラノに行った時、例のドームに着いたら、まわりの観光客がいっせいにジプシーの子供たちに襲われたのに、私にだけ誰も寄ってこないので傷ついたことがある。無造作な長髪、カルバン・クラインの革のブルゾン、リーバイのスリム、ロセッティのブーツ、それなりにこぎれいにしていたのに。よっぽど金が無いと思われたのか、インディアンだとでも思われたのか、同じジプシーのデキソコナイだとでも思われたのか。頭に来たので、自分からジプシーに近寄ってみたのだが、今、忙しいんだ、あまえはあっちのカモを狙え、という顔をされた。なるほど。スリだと思われていたのか。そういえば私は、学生時代、授業中に先生に差されると<ちっ>と舌打ちしていたので、教室中がシーンとなってたっけなあ。自分では気づいていなかったのだが。卒業してから友だちが教えてくれたのだ。みんなカタズをのんで見守っていたそうだ。いまさらそんなこと言われてもしょーがねーよな。言ってくれれば直したのに。しかし考えてみれば、たまたま仕事で出会ったりして、もしかして友だちになれそうなやつって、みんなユダヤ系だったなあ。アメリカがイスラエルの肩ばかり持つんで、世界中が、なんだか反米の余勢を受けてアラブに同情的だけど、ああ、しかし、たとえばシェイクスピアの戯曲で悪者あつかいされたユダヤの商人シャイロックは、<われわれユダヤ人にもおまえら一般ピープルと同じように血と肉体があるのだ!>と主張したに過ぎなかったのだが、結局、世界から黙殺されたんだよね。アラブも神のことばかり言ってないで、自爆テロなんてやらないで、自分達にも血と肉体があるのだ、白人と同じ人間なのだ、と主張すべきだと思ったりもしたけど、結局、同じことだろうよ。そもそも名前を変えたブルジョア個人主義、つまりグローバリゼーションという怪物がこの戦争の原因なのだ。ユニクロよ、きみらが賃金格差を求めて中国に工場を立てている事が、アフガンやイラクで引き起こされる戦争の原因なのだ。ユニクロよ、賃金格差を求めて世界中をさまよう気なのかい。ユニクロよ、すでに中国に建設した工場は人民に捧げる気かい。捧げなくても収奪されるだろうけどさ。それが彼らにとっては正義だから。ユニクロよ、いいことを施しているつもりの善良な企業が、地元では実は憎まれており、ノウハウだけ盗まれて、ほうほうのテイで逃げ帰るというパターンにはまる気かい。ユニクロよ、きみらが名を連ねるグローバリゼーションという怪物は、自分達の棺桶をせっせと大量生産しているのだ。ブッシュはその棺桶をみて<棺桶だけこんなに作ってどうする、中身が必要だろうが、ようし中身はおれが用意してやるよ>と言っていただけなのだ。だとするとビン・ラディンは、さしずめ『荒野の用心棒』のクリント・イーストウッドだね。するってえとブッシュはイーストウッドにつきまとう葬式屋だ。いうなれば、今やブルジョア個人主義の最終段階に来ているという訳なのさ。指輪を手にした者が、あらゆる労働力の、唯一の所有者になるのだ。それは終焉の世界だ。それは周縁の無い世界だ。それは終演のあとに地下鉄も電車もバスもタクシーもない世界だ。そもそも劇場などない世界だ。ついに熱的死が訪れた世界だ。それにしても、悲しいことに、死は受け入れ難いのに、いつも勝手にやって来る。まるでサラ金の取り立てのように。私はいよいよ寿命がきたら、押し入れのなかで死にたいと思うのだ。まるで猫のように。ひっそりとね。でも死体を誰かにいぢられるかと思うと恐ろしくて、とても死ぬ気にはなれない。いったいどうすればいいのか。それにサラ金の取り立てと猫の死を比較してどうなるというのか。そして、いったい誰が指輪を捨てに行くというのだろうか。友よ、その答えは風に嬲られている。その風は竹の笹でこしらえた鞭のように私の頬を切裂く。血がしたたり落ちる。気が遠くなる。薄れつつある意識の底から、笹の鞭を持って私を嬲るジャイアント・パンダの愛らしい姿が、ちらりと見えた。





02.jpg





註釈:そういえばオースン・ウェルズが『第三の男』のなかで語った言葉を思い出す。「覚えておくといい。理想主義者ってのは悪党よりはるかにタチが悪いんだ」。

ふと気づいたんだけど、ユニクロじゃなくてグーグルにしたほうがアップ・トウ・デイトだったな。まあいいや、このままで。

蛇足:オースン・ウェルズで思い出しましたが、美女ビビアン・リーの「哀愁」と、象男ジョセフ・メリックの「エレファント・マン」のストーリーは、美女と奇形という違いを越えて、物語の構造がほぼ一致するという事実に驚いたことがあります。これはジョン・フォードの『駅馬車』とオースン・ウェルズの『市民ケーン』の構造が似ているとかいう伝説などより遥かに似ているようにも思えます。世間からみれば美女も奇形として扱わざるを得ない。それは見た者に眠れぬ夜をもたらすものだから。そして行く末も同じようなもの。座敷牢かサーカスか、深窓の令嬢か街角の売春婦か、場末の見世物か銀幕の大スターか。

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2010.03.25 23:47
451f
管理人のみにしたかったのは、自分の文章が、いずれ検索エンジンにクロールされるのがなんか癪(というか恥ずかしいというか)だったからです。
見られて困るものでもないので大丈夫ですよ。お気になさらず。
コメント投稿して思ったんですが、 fc2 のコメント投稿における認証用キーワードは Google より芸が細かくてすごいです。
2010.03.26 00:02
ashzashwash
わかるような気がします。ぼくも、調べものをしていて自分の書いたものが検索エンジンにヒットすると、ヤバイ、という気持ちになります。ではお許しを貰ったので引用させて頂きます。

以下は45lfさんからのコメントです。

> ユニクロからグーグルへの up to date を示唆する註釈がタイムリーすぎて笑えました。
> 十年ぐらい前に雑誌で読んだんですが、ユニクロは「甘えた関係にしないため」に、中国で生産するときは、工場の建設や買収はせず、常に工場と業務契約だけを結んでいたらしいですよ。本当かどうか知りませんが。
> 初めて投稿します。

ユニクロのいう「甘えた関係」って何なのでしょうね。かなり気になります。中国に身ぐるみ剥がされても文句はいいません、という関係でしょうか。最近のユニクロはタグをみるとインドネシアやベトナムが多いようですが、やはり世界中を彷徨っているのでしょうか。いったい最後はどうなるのでしょうか。
2010.03.26 12:45
遊離哉(aoloaakua)
ユニクロ。以前お仕事をご一緒したことがあるんですが、自ら価格破壊しておいて、デフレになると困るみたいなことを後から平然とおっしゃるので、頭の悪い私としてはなんだか困惑することが多いです。本当はもっとしゃべれるけど、それこそググられては困ることもあるのでこのへんで自己規制。。。
2010.03.26 16:50
ashzashwash
いつかどこかでその困惑の顛末を聞かせていただきたいと思うのでした。そういえば例の失踪したリーダーの行方とともに。
2010.03.29 16:56

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Author:ashzashwash
桑原義江。男性。Ash。あるいはy<kと名乗った事もある。あるジャズ・レーベルのマネジメント・オフィスに勤務。その傍ら知人の紹介で、ファッションビルの広告媒体や某音楽系出版社の女性雑誌にアート関係の記事を書かせて頂き、その稿料で貧困生活を糊塗する日々が続く。或る日の朝、出勤のため恵比寿の坂道を下っている時に何もかもが嫌になり、地下鉄丸の内線日比谷駅のホームのベンチに蒼白な顔色で座っている姿を学生時代からの友人が見かけたのを最後に、東京23区内から失踪。赤坂のオフィスのデスクの上に残された遺留品は、デルヴォーの画集、カランダッシュの青いボールペン、それからビル・ラズウェルのライブのデモテープ、以上の三点であった。その後、アムステルダムの娼婦街でよく似た横顔の女衒を見かけたという報道もあったが、本人が非公式に否定。現在に至る。

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